ご挨拶

 2025年の定時総会におきまして、一般社団法人日本在宅血液透析学会の理事長を拝命いたしました。大変光栄に存じますとともに、その責務の重さに身の引き締まる思いでおります。今後、我が国における在宅血液透析のさらなる普及と発展に向けて、学会員の皆様、透析医療を支える企業の皆様、そして何より患者さんご家族の方々とともに、真摯に取り組んでまいる所存です。

 本邦の透析医療は、世界的にも高い水準にあると評価されています。一方で、透析といえば「週3回通院する血液透析」と認識されている患者さんが多いのも現実です。日本の透析患者さんの約97%が施設血液透析を受けておられる現状を踏まえれば、その認識は自然な側面もあります。しかし、腎代替療法には在宅透析や腎移植といった選択肢があり、在宅透析には腹膜透析と在宅血液透析という異なる方法があります。これらの選択肢を適切に伝え、患者さんが自らの生活に即した治療を選択できる環境を整えることが、私たち医療者に求められていると考えます。

 在宅血液透析は、患者さんの生活や価値観を尊重しながら、築いていく治療法です。その普及のためには、理念にとどまらず、客観的な検証と社会への発信が不可欠です。本学会としては、実践と研究の両面から在宅血液透析の意義を明らかにし、患者さんのQOL向上と長期予後の改善に寄与してまいります。また、本学会が刊行する「日本在宅血液透析学会誌」を通じて、学会活動や委員会活動の成果を論文として体系的に発信していくことを重視してまいります。ウェブ媒体の特性を生かし、実践的で有用な情報共有の場としてさらに発展させていきたいと考えております。学会誌の充実に向けても、会員の皆様のお力添えを賜れれば幸いです。

 学会員の皆様はもちろんのこと、臨床現場の皆様、研究機関の皆様、関連企業の皆様、その他この医療を支えていただいている多職種の皆様の取り組みが重要であります。特に装置の発展など、産官学あらゆるお力が必要です。皆様と力を合わせ、我が国の在宅血液透析のさらなる普及にむけ、患者さんと医療者が信頼のもとに歩む医療を育んでいきたいと考えております。今後とも、皆様のご理解とご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

令和8年4月
理事長 小川 智也

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